マネックスGによるコインチェック買収と条件付対価の会計処理
2018/04/26 2018年3月期決算 説明資料https://www.monexgroup.jp/jp/news_release/irnews/auto_20180425419975/pdfFile.pdf
セグメント利益(税引前利益)は293百万円(前連結会計年度は1,732百万円のセグメント損失)で着地しています。
https://data.swcms.net/file/monex-group/dam/jcr:00ff8d72-87a1-4a1c-89f3-8b7cd8532e3e/S100JDI0.pdf
セグメント利益(税引前四半期利益)は102百万円(前第1四半期連結累計期間比28.1%減)とのこと。
2021年3月期(第17期) 第2四半期 四半期報告書
https://data.swcms.net/file/monex-group/dam/jcr:0c842f66-45bf-4819-b9cc-260701f69ca1/S100K0CQ.pdf
セグメント利益(税引前四半期利益)は828百万円(前第2四半期連結累計期間比445.7%増)と急激に利益を伸ばしています。
2021年3月期(第17期) 第3四半期 四半期報告書
https://data.swcms.net/file/monex-group/dam/jcr:5d05bc03-c37a-4310-bebe-91fd02fc4102/S100KNRB.pdf
市況の変化により利益が急激に伸びてますね。セグメント利益(税引前四半期利益)は3,251百万円(前第3四半期連結 累計期間比13,265.7%増)となっています。業績の伸長による条件付対価の公正価値の変動によって、評価損217百万円を計上していますね。仕訳は下のようになります。
https://data.swcms.net/file/monex-group/dam/jcr:77abaeb4-09cf-420f-89b6-3db9329ef1e6/S100LRQ3.pdf
マジでとんでもなく利益出てますね。セグメント利益(税引前利益)は9,868百万円(前連結会計年度比3,268.2%増)とかもうちょっとよく分からないです。条件付対価についての公正価値の変動を反映して、第4四半期の仕訳は下記のようになります。
買収より3事業年度が経過したため、条件付対価の支払金額は3,788百万円で確定です。
ビットコインの価格推移を見てみるとさらに震えますね。旧株主は脳汁出まくりだったと思います。
②19年3月期末のビットコイン価格
③20年3月期末のビットコイン価格
④21年3月期末のビットコイン価格です。
コインチェック株式の譲渡対価は7,388百万円(3,600百万円+条件付対価3,788百万円)となり、単純計算で和田氏に33億円、大塚氏に4億円、その他の株主に36億円が支払われるということになります。
つくづく仮想通貨は市況次第だな、という感じですが旧株主にとっては結果的に条件付対価を設定したことによって予想以上のナイストレードになりましたね。こんなにド派手なディールは今後もなかなか見られないと思います。(終わり)